会社組織の活動は「様々な人間関係の中で考えの違いに揉まれながら意思決定を繰り返していく作業」だと言える。そんな組織に属する上では自分自身の考えを求められ、多くの場面で「YES/No」の二択を迫られる。
日頃そういう世界に身を置いていると、世の中のあらゆることに対して「YES/NO」といった断定的に判断をするような思考回路が身についてしまう。一方、世の中の事象の多くは二択で選べるような単純なものではなく、グレーゾーンが存在する。そもそも社畜生活の中で養成される思考回路は現実世界とギャップがあるもので、そのギャップが生きづらさに繋がると考えている。
加えて、仮に「YES/NO」で正解が求められるような事象があったとしても、それは今後未来永劫に渡り正解であり続ける保証もない。時代や価値観の変化等に伴いYESがNOにひっくり返ることもあり得る。会社の上層部に残る昭和的な価値観が現代の価値観と整合していないジレンマを感じることも少なくないのではないか(私はそれを非常に感じている)。
つまり、現時点であたかも正解のように扱われている物事の多くは、そもそも背景に不確実性やグレーな部分が存在するものであるし、時間の経過によって評価が変わり得る、脆さを秘めたものに過ぎない。この「グレー」と「時間」という2つの概念を社畜生活における個人の立ち振る舞いや思考回路に組み込むとプレッシャーを緩和できる。
日々求められる「YES/No」の断定的な判断は往々にしてプレッシャーが伴う。だけど、この判断は絶対的なものではないし時間が経てばその回答への評価はいくらでも変わる不確実なもので、その場を乗り切るために判断が必要だとしても、その判断に未来永劫縛られるものではないと理解できるから。
人生は今現在の連続であると言われ、今現在の判断が未来に繋がるものではある。だけど、そもそも判断内容の絶対的評価は困難なものだし、今現在の連続の先ある未来までを見据えると判断の不確実性はより増していく。このことを認識して、社畜として抱え込み過ぎている重荷を下ろしていけばいい。
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