サラリーマンにとっての「昇進・昇任」は喜ばしいことなのだろうか。ひと昔に比べて昇進というものが否定的に捉えられることも増えているように思う。
・仕事量や責任ばかり増えて大変
・上司と部下の板挟みになるなど人間関係に苦労
・ストレスが増える割には給料はさほど上がらな
など。
私も所属会社ではいわゆる中間管理職にあたる役職に置かれているが、全くなりたくなかった。仕事内容や量が増えることもさることながら、特に社内の人間関係が増えることが嫌だった。
平社員にとっての人間関係は基本的に上司の顔色を伺うことが中心になるが、私の場合、コミュ障かつ人との関わりを持つこと自体を好まないINTJ的な気質もあって、上司と良好な関係を維持することすら面倒だった。
それが中間管理職になり部下を持つことになると、上司だけではなく部下との関係も気にしなければならない。自分のことだけでなく部下の仕事の進捗管理をし、上司の意向との板挟みの立場に身を置く状況に苦悩する日々。
よく中間管理職の人間関係の悩みの解決方法として「コミュニケーション」の重要性が言われる。上司や部下、関連部署等とよく相談するといったことが大切だ、とか。
コミュニケーションの重要性自体は理解できるけど、そもそもコミュニケーションを取ろうとすること自体がストレスになるので腹落ちしないし、今更自分の性格や気質、INTJ的な人間関係に重きを置かない価値観を変えることは難しいという思い込みもあり、こうした解決方法を聞いても全然前向きな気持ちになれない。
では中間管理職としてできるだけ心地よく過ごすにはどうしたらいいだろう、と考えたところ、とにかくギブアンドテイクの「テイク」にこだわる、という一点に注力することにした。
仕事を進捗させる上で提案や方向性を示すなど、いわゆる「ギブ」の部分は、平社員時代から対処していた(ストレスを抱えながら)。これに加えて、中間管理職特有のストレスに対処するため「テイク」にこだわる。
部下からの相談に対してアドバイスや方向性を示したのならば、それに基づいて何らかの行動を求める。上司に提案をしたならば、それに対するYes/Noの判断や、判断ができないならば必要な追加情報は何なのか具体的な提示を求める。
「ギブ」のみで終わらせて何ら「テイク」を求めないことは単なる自己犠牲と同義で報われない。人間関係が増えて様々な方向に目を向けなければならない中間管理職だからこそ「テイク」にこだわる。自分から相手への働きかけで流れをストップさせず、絶えず動かしていく。そうして仕事は動いていくものだし、ストレスを溜めずに流すこともできる。
コミュニケーションを大事にして人間関係の維持・構築に何らストレスを感じずに立ち回れる中間管理職になれたら理想的だとは思う。だけど、そうしたことを苦手としながらも組織の事情で中間管理職にならざるを得ない人もいると思う(少なくとも私自身はそうした立場)。
自分一人では物事が動かしにくくなる中間管理職だから、ギブアンドテイクの両面に拘ることで流れを止めずに回していく。まずはその一点に注力していけたらいい。