INTJ型の人間には、常に何かを考えており、様々な思考結果が突然の閃きで一つに繋がる瞬間がある、という特徴があるらしい。
これはINTJ型とされた私もよく体感する。仕事では、職場で色々と考えてゴチャゴチャになった状態から、休憩スペースに移動してコーヒーを飲んでいると、急に閃く。閃く内容は言語化しにくいが、様々な情報が一つの絵にまとまる感覚。閃いた内容(絵)をすかさずメモに取り、職場に戻って文字起こしをする。同僚からはサボり癖のある奴と思われていることを何となく感じながらも、この「思考からの閃き」というINTJ型の特徴に通ずる働き方は個人的には嫌いではない。
ただ、この特徴には弊害もある。それは、何も考えない状態に自分を持ち込むことが苦手で、考え続けて疲れてしまうこと。とにかく心を無にすることができない。様々な断片的な思考が脳内を飛び交い続けていて、何もしていなくても疲れてしまう。これは家で何もせずリラックスしている時も同様(リラックスできてない)。
考えを続けて閃きを生み出すことはINTJ的な強みでもあるが弱みでもある。この弱みの部分を補うために大切なのは「今に集中する」こと。そのために今に集中する手段を持ちたい。この手段について、自分が試してみて効果を感じたものを一つ紹介する。
一つの物をひたすら見続ける
様々なことに思考が移って疲れている時に、対象を一つに決めてそれをひたすら見続けていると、不思議と心と頭が落ち着いていく。五感の中でも、人は情報の多くを視覚から得ているというのはよく聞くこと。視覚をハックすることは思考を制御するための有効な手段なのではないか。
見続ける対象は、私が試した中では「アート作品」がお勧め。アート作品にも作者の主張や意図はあるのだろうが、実用的な物を視覚対象とすることと比較して現実的な意図を感じにくく、見ていて心地良くいられる可能性が高いと考えている。
私は普段、常に手帳を持ち歩いているので、お気に入りのアート作品の写真を一枚、手帳に貼り付けていつでも見ることができるようにしてみた。具体的には、バンクシーの「No Ball Games Grey」という作品の写真。
アートを「よく見る」で今に集中する
アート作品を「よく見る」方法として、『アート鑑賞、超入門!』という本で紹介されている「ディスクリプション」という手法がある。例としては以下の通り。
たとえば日本の国旗ならば「白地の布の真ん中に、赤くて大きな丸がシンプルに描かれている旗」といったように、アート作品を自ら言葉に変換して説明してみることをすすめます。
https://getnews.jp/archives/843760
この「ディスクリプション」はやってみると中々難しい。だけど、作品のあるがままの状態を認識しようと試みることで、よりアート鑑賞に没頭できる。結果、今への集中に繋がる見方だと感じた。
思考自体は止まらないが、収束する
疲れた時にアート作品を見続けることを試行して感じたのは、厳密には浮き上がる思考を止めることができている訳ではないということ。ただし、何もなくぼんやりと考えている時と違う感覚として、思い浮かぶ方向がアート作品を軸にしてひとつの方向に収束していく印象がある。
様々な方向に思考が飛び移ることと一方向に思考が集約する感覚とでは、後者の方が疲労感が軽減される実感がある。
INTJ型の弱みを補う方法を探索する
INTJ型人間にとって、様々なことに思考が移るのは特徴であり抑えるのは難しい。むしろそれが強みでもあるのだから抑える必要もない。ただ、それによる疲労が低減できればいい。そのためには、思考自体を押さえつけるのではなく、発散を続ける思考をどこかに収束させる工夫をすることが有用だと考える。
アート鑑賞はINTJ型人間が弱みを補うツールになり得る。疲労感に悩んでいるINTJ型の方は、ぜひ一度試してみてほしい。
コメント