「得る」だけじゃなく「失う」ことも人生だから

名言

今日の名言

だいぶ昔に視聴した「情熱大陸」での、元朝日新聞社のジャーナリスト・稲垣えみ子氏の言葉が今でも心に残っている。

退職を機に体調不良を整えようと療養施設に滞在した際、肩こり、不眠、ストレスによる湿疹など延々と続く私の訴えをウンウンと聞き取った医師が最後に尋ねた言葉。「それで、あなたは幸せなの?」虚をつかれ、思わずたじろぐ。

私たちは、何かを手に入れて幸せになろうとしている。モノ。お金。そして健康。でも、手に入らなければ不幸なのか?例えば病人は不幸なのか?だとすれば私達は皆、不幸にまみれて一生を終えるのだ。だって、病と死からは誰も流れられないもの。

でも本当は病人だって、モノやお金がなくたって幸せになれるはず。肝心なのは何かを手に入れることじゃない。ハッピーになること。

「ある」幸せがあるなら「ない」幸せがあってもいいじゃない。そう考えると、意外なほどに心は浮き立つ。人生は自由だ。そして、どこまでも開かれている。

アーユーハッピー?

稲垣えみ子(情熱大陸)

社畜の感想

この言葉と初めて出会ってからもう5年以上は経っているが、社畜生活では今も昔も変わらずに、成功など「得る」ための方向一直線の価値観で過ごしている。仕事の成功や職場での立場や信頼などを得ることが当然良しとされていて、それらを失うようなイベントを避けるために必死になって、無理をしたりしながら生きている。

だけど、人生全体のスパンで見ると、病や死に象徴されるように「失う」ことや「手放す」ことを伴うイベントに必ず直面する。そう考えると、日頃から「得る」ことばかり追求せずに「失う」ことを受け入れる心の準備も必要なのではないか。

それはお金やモノなど物質的なものに限らず、築いてきた人間関係や信頼など精神的なものであっても同様で、どれだけ心を砕こうが失う時は失うのだ。それを「どんな時も失いたくない」と現実を直視せずに苦しむより、「失うことも含めて人生だよな」と受け入れられる心を持てる人間になりたい。

得ることだけが全てじゃない。失うことで見える幸せも、きっとある。

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