「あの人より自分はいいポジションにいるな」
「何で自分はあの人より成績が悪いんだろう」
多かれ少なかれ、人は他の誰かと自分を比べることで、安心したり不安になったりする。
そして、相手のことも理解している気にはなりつつも、どこかで相手と自分は違う生き物だと思っていて、自分の価値観から抜け出すことはなかなかできないなと感じている。
そもそも何となく自分の価値観が常識的だと結論づけている節があって、それと異なる相手の価値観は表面上は理解を示しつつも本心では壁を作ってしまう。
多くの人との共同生活である会社組織において、こうした壁の存在が、仕事上で何か行動を起さなければならない時のめんどくささや憂鬱さにつながっている。
特に、私のような壁をたくさん作るコミュ障気味の社畜にとっては死活問題なので、何とか改善を図れないか、考えてみた。
ベクトルを相手に向けることが行動の第一段階
「悩んでないでとにかく動け」「考えるより行動すべきだ」といった「行動力」に関するビジネス本が多くなった気がするし、周りにも「行動、行動」と動きまくる人もいる。
私は、行動とは、「ベクトルの向きを相手に向ける」ことから始まると考えている。
相手と自分との間に価値観の違いという壁があることは前提に、つい自分の内側に向けてしまいがちな関心のベクトルを相手側に向けるマインド。
結果的に分かり合えるかは分からないけど、それは落とし所を探るという形で物事を前に進めるきっかけになるし、落とし所から得られた気づきからは自分の価値観に広がりを生み出す余地が与えられる。
つまり、行動を起こす勇気とは、ベクトルを相手に向ける勇気と言える。
「星の王子さま」のように「why」を使う
では、つい内向きになりがちなベクトルを相手に向けるにはどうしたらいいか。
それは、心に「why」を持つこと。
サン=テグジュペリの名著「星の王子さま」では、主人公の王子さまが6つの惑星を訪れ6人の住人と交流する場面がある。
6人の住人である「王様」「自惚れ屋」「酒飲み」「ビジネスマン」「点灯夫」「地理学者」はそれぞれに特徴的な我を持っているのだが、6人との交流の中で王子さまは「何でお酒を飲むの?」「どうしてガス灯を点けるの?」と相手にベクトルを向けまくってガシガシ話しかけ、物語が展開していく。
一方、本編を読んでいると、王子さまは純粋な子供ではあるけれど相応に我儘で6人と同様に我が強い。
ただ、6人と違うのは、関心のベクトルを相手に向けていること。そして、ベクトルを向ける手法として「why」を使っているということ。
そうして王子さまは多くのことを知り、そして大切なことに気づく、というストーリー。
相手に関心を向けることで自分も変わる。
自分が変わることで物事が進んでいく。
まとめ
相手と自分を比べることは悪くない。
自分の価値観を大切にしたらいい。
ただ、一度相手と自分を比較したのなら、もっとベクトルを相手に向けてみる。
そしてあわよくば自分の価値観を拡充していく。
そうして社畜としてバージョンアップしていくのも、面白い。
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