「威圧感のある上司が怖い」
「明日の幹部へのプレゼン、嫌だなぁ。。」
会社組織に属していると、自分より役職など立場が上の相手に対応する場面を避けがたい。
単に役職が上というだけで相手に恐怖を感じてしまうことも多く、たとえ仕事自体の難易度は低かったとしても、その仕事をこなすためのストレスが跳ね上がる。
これは、会社組織に属する人にとって多かれ少なかれ共通の悩みなのではないかと思う。
会社組織に無理なく属し続ける上では、対人ストレスの対処術は身につけておきたい。そのための一方策として、そもそも「役職」を恐れる背景にあるものについて、深掘りをして考えてみた。
ハロー効果
心理学の世界における認知バイアスの一種として、次のような現象を「ハロー効果」という。
「ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。」
(出典)グロービズ経営大学院ホームページ
「役職」は、ここでいう「目立ちやすい特徴」の最たる例と言っていいだろう。
そこで、ハロー効果による認知バイアスを除いて役職の意味をより正確に捉えられないか。
このことについて、佐渡島庸平氏の著書「観察眼の鍛え方」が参考になる。
同著内において、灘高校・東大を卒業し一般的には高学歴と評価される佐渡島氏による自身の評が次の通り示されている。
「多くの人は僕がいろんなことを知っている人だと思い込む。しかし決してそんな事はない。その学歴が示すのは、高校・大学受験期に受験勉強をしっかりやったという程度の証明に過ぎない。そこには、半年から一年間の単純作業を我慢できたという事以上の情報はない。僕がいろんなことに精通していて、正しいことを言う人だ、と思うのは、バイアスだ。」
これは、あらゆる面で優秀だと思われがち、というバイアスがかかる高学歴者の特性を、事実関係から限定的に捉えたものだといえる。
役職とは、過去における誰かからの評価
役職についても同様に考えてみる。
会社組織において高い地位を得ることの意味は、「過去のとある時点での仕事等の成果が、評価を与える役割にいる人間から評価された結果」と位置付けることができそうだ。
つまり、役職とは「過去の結果」であり、現在の状況だけを示すものではない。そして、評価した者が誰なのかも曖昧だ。
このように役職の意味を限定して捉え「役職者=あらゆる面で優れた人」というバイアスを取り除くことは、役職に感じる恐怖の緩和につながるのではないか。
リスペクトとのバランスを取る
もちろん、然るべき理由から目の前にいる役職者に対するリスペクトを忘れることは避けたい。
だけど、リスペクトのみを持つことや行き過ぎることがバイアスにつながり恐怖の原因になるのなら、少なくとも自分にとって健全な人間関係は構築することは難しい。
リスペクトは示しつつも役職だけで相手を絶対視せず、今現在の相手の言動を冷静に見つめること。
それは自分のメンタルを守るだけでなく、相手と自分との関係の健全化にも資するはず。
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