私はFIRE(≒資産的に自立して早期に仕事を辞める)したくてたまらない40代会社員です。FIREしたい理由は、とにかく会社員として生きるのは向いてないと感じているからです。
組織の中で上司とか色々な人の顔色を伺いながら立ち振る舞うのが苦手で、年を重ねるごとに苦手意識が大きくなっていきました。別の生き方がしたいなぁ、と考えていて、FIREという生き方を選ぶ人に憧れを持っていました。
一方、私は普通のサラリーマンで特別収入が高いわけでもなければマネーリテラシーが高くもありません。特に豪遊したりしているわけでもないんですけれど、特に意識せずに給料を貰ってお金をただ使って、みたいな何の特徴もない生活をしていました。ただ、今年に入って新NISAのスタートなど世の中の投資への関心が高まる波に乗って、私もYouTubeを見たりとか、ちょっと本を読んだりとか勉強をしながら、今年に入ってポツポツと投資を始めた、という感じです。その先にFIREできないかな、という漠然とした目標を持ちながら。
そんな状態なので、具体的にFIREできる目処も立っているというわけではないんですが、FIREを意識するようになって、お金の問題はもちろん大事なんだけれども、もう一つ大事な、FIREするにあたって考えるべきことがあるのかなと思うんです。
それが「時間」です。
仮にFIREしたとして、生活を成立させるためのお金や収入源といった問題に関心が持たれるのは当然で、その観点での情報はたくさん出回っています。
ただ私は、お金の問題に加えて、FIRE後の時間をどう使うのかをFIRE前に真剣に考える必要があるのかなと思うんです。
人生には、生きている限り時間があり続けます。それはFIREをしようがしまいが変わりません。お金はあくまでも人生に与えられた時間の使い方について選択肢を得る手段に過ぎない、とも言えます。そういう意味では、FIREを行うにあたって時間について考えることはお金と同等かそれ以上に大事なことだとも捉えられます。
私は、FIREを目指すにあたってこの「時間の使い方」について悩んでいます。というのも、私には特別にやりたいことがあるわけでもなければ欲しいものがあるわけでもないんです。
今の会社での仕事にも関心はなくて、ただお金を稼ぐ手段としてやっているだけ。一週間の大部分の多くの時間を仕事に使っているということで、お金だけでなく時間の使い方の両方で今の会社に依存してしまっている状態です。
この会社に依存してしまっている「お金」と「時間」うち、お金については投資だとか自分の生活の中での支出を適正に管理するなど、別の方法でコントロールすることができます。だけど、時間については、現状、多くを会社に使っていて、かつ、他にやりたいことがないという状況からすると、仮にFIREをして会社から解放された時になって、空っぽの時間が与えられてしまう状態になると。
つまり自分にとってのFIREというのは、合わない会社や仕事から逃れたいだけのために達成したい目標になっていて、それはそれで達成したいのだけれども、そういう状況に私としては危機感を感じるんです。
とはいえじゃあ何やりたいんだと考えても見つからなくてもどかしい。ただ、このことについて明確な答えはないけれども、自分がやりたいことを見つけるにあたって、焦ってばかりでいる必要もないのかなとも思うポイントが2つあります。
まず一つ目が、今後FIREをすることで仕事に身を置く時間が少なくなり余裕が生まれれば、物事への関心は持てるようになるんじゃないかということです。
今、自分がやりたいことが特にないというのは、自分の視野の狭さというのもあるんですけれども、どちらかというと「関心ごとを探す余裕がない」という方が近いと感じています。日中仕事をして夜遅くに帰ってきて疲れて寝るだけという生活を送っていることもあり、生活に必要なこと以外に関心を向けること自体ができていないと。もし会社から拘束される時間が減れば、外のことに関心を向ける心の余裕が生まれると推測しています。
次に二つ目として、今後未来に向けて、様々なことを体験するためのハードルが下がっていくと思うんです。
今の時代も一昔前に比べたら体験へのハードルは下がっています。エンタメで言えばネットフリックスとかで興味があるコンテンツを簡単に視聴することができるとか、情報が集めやすくなっています。この傾向は、未来に向けても続いていくと予想されます。
この二つの理由から、会社生活で余裕がない中で他の関心ごとを探そうと焦る必要もないのかな、とも思います。
例えば私の場合、最近話題になっていた「地面師たち」をようやく見まして、これが面白かったんですね。ずっと話題にはなっていたけれど、私としては疲れているし長時間一つのコンテンツを見るのも疲れてしまうので敬遠していたのですが、意を決して見てみたら面白かったと。
このように、心の余裕がなくて敬遠しているけれど関心ごとの種は生活の中にもある。そして、その種はこれからどんどん拾いやすくなっていく。
そういう意味で、「時間の使い方」という観点ではFIREを目指す環境として恵まれているんだなと気づいたんです。現状やりたいことがないっていうのはなかなか悲しい状態ではあるけれど、FIREができて心に余裕とか隙間があれば、やりたいことを探すチャンス自体は増えていくと思うから、です。
そういう関心ごとを拾いやすい社会が加速していくからこそ逆に大切なことは、余計なものを持たない、しない、ということだと思うんです。
関心が持ちにくい仕事を続けることもそうですけれども、欲しくないものや人間関係を多く抱えることで時間を使いたくはない。今後自分が関心を持てるようなものが見つかったときに、すぐに動けるように時間を確保したい。
現状、やりたいことはないけれど、少なくともやりたくないことはできるだけしない、できるだけ身軽でいることは心がけたいと思います。
その身軽な状態を確保する上で、今後の自分の行動で気をつけるべきこととして「自分の価値観を他人や社会に握らせない」と思いました。
というのも、何もやりたいことがない自分の日常の行動は、結果的に誰かの価値観に合わせた活動になってしまっている、と感じたんです。やりたいことはないけれど時間があるからちょっと出かけるかとか、外食するかとか、自分の行動を振り返ると、そういうパターンが多い。
そういう形での消費活動にお金が回るように世の中のシステムもできているように思いますし、自分の目的意識がない中で何となくお金を使うことで、FIREが時間だけでなくお金の面でも遠のいてしまう、と思うんです。
FIREしたら自分がやりたいことは悲観的にならずにぼちぼち探し続ける。
一方で、やりたくないことに時間もお金も使わない。そういう、自分の価値観を、世の中の価値観とは別に育てていきたいと思います。結果的にその行動が少数派であっても構わない。そうしてお金だけではなく時間面でも自立をしていくことが、FIRE達成に向けて大事になると感じました。
まだ、FIREの見通しは立っていないけれど、悲観も楽観もせずに進んでいきたいと思います。
以上です。
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